オーダーメイド殺人クラブ/辻村深月

オーダーメイド殺人クラブ

タイトルに惹かれて読み始めたのですが、てっきりミステリーだと思って読んでいたら、最後まで事件が起きずに終わってしまいました。本書は、青春小説でした。

青春とか恋愛とかってジャンルはどうにも気恥ずかしくて、あまり読まないのですが、久々に読んだ青春小説はなかなか心くすぐるものがありました。主人公は中学二年生の女子。派手系のリア充女子です。無視、いじめ、恋愛、嫉妬など様々な日常の中で、非日常にぼんやりと憧れる彼女が見つけた安定剤が「殺人」でした。隣の席に座る、昆虫系の男子、徳川を「犯人」にうってつけだと見初め、隠れて会いながら「自分の事件」を作る妄想を膨らませていきます。

作中では主人公が綴る計画が「悲劇の記憶」と題したノートに記されていきますが、これを含んだ本書自体は「青春の記憶」と呼べるでしょう。中学二年という「中二病」の言葉の由来ともなった、暑くて臭くて面倒くさい時期ならではの、日常風景が上手に切り取られていると思います。

たまには、こうした作品で自身の懐かしいあの時代を振り返るのも良いものですね。まあ、私の中二時代はリア充とはほど遠かったのですけれど。

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