万能鑑定士Qの事件簿XI/松岡圭祐

万能鑑定士Qの事件簿)ローマ数字11) (角川文庫)

Qシリーズ11作目は、古都京都を舞台にした大がかりな宗教トリックに莉子が挑むという内容です。

ストーリーはこれまでのQシリーズでも随一と言える内容。敵は莉子と同じバックボーンで同じ思考回路を身につけた天才僧侶で、常に莉子の先をいくため、なかなか尻尾をつかめず、苦悶する莉子がいじらしいです。

本作(というか松岡作品全て)でも相変わらずの雑学・蘊蓄が盛りだくさんで、これが大きな魅力の一つにしっかり座っていると改めて感じました。今回は、歴史に刻まれた謎の解明にもこの雑学(数学)がおおいに活躍しました。ダビンチ・コード的でしたね。

そして、何より、本作では、莉子と小笠原の関係が一段深まったのがファンとしては非常に嬉しい部分でした。献身的なサポート役を続けてきた小笠原ですが、本作では草食系の面目躍如とばかりに、気持ちのこもった積極的な行動が功を奏し、謎の究明にも莉子の感情にも一歩進めたところが良かったですね。

そして、ラストシーンはウィットに富んだ手法で二人の距離が確実に縮まったことが表現されていて、なかなか感慨深いものがありました。

個人的にはQシリーズ11作の中で一番好きですね。まあ、10作読んでないと、この良さは伝わらないのが残念ですけど。

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