光媒の花/道尾秀介

光媒の花

鬼才、道尾秀介氏の連作短編です。

ホラー、サスペンス、ミステリー、文芸など多彩なジャンルを描きわける著者ですが、本作もミステリー的なものから純文学系なものまでバラエティに富んだ内容となっています。

それぞれの物語が部分的に繋がることで、一つ一つの話に奥行きが出ています。

2007年から2009年までと約2年にわたって「小説すばる」に初出された各話ですが、2年間という長い期間を経ても、それぞれが同時点に存在するかのごとく緻密にプロットされているのに驚きます。

どの作品もテーマは人間の哀しさ。それを虫や花に例えて切なく表現しています。とはいえ、希望を織り込んであるので読後感は悪くありません。

個人的には、トリックスター道尾秀介が好きなので、やはりもっと長編の本格ミステリーを書いてもらいたいと思いますが、こうした作品も悪くないとは思います。

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