ウェブ大変化 パワーシフトの始まり/森正弥

ウェブ大変化 パワーシフトの始まり~クラウドだけでは語れない来たるべき未来 (KINDAI E&S BOOK)

楽天技術研究所所長の森正弥氏による、インターネットを中心とした世界の変化についての考察です。

今起きている現象を「こちら側の多様化」「あちら側の大規模化」「知と我々自身の変化」と3つに分けて概観し、進化し続け、とらえがたいインターネットとそのサービス、テクノロジーが作り出そうとしている新たな世界の姿の端緒をつかもうと試みた

と前書きでおっしゃっているように、本書は、梅田氏の「Web2.0」の世界観をベースに、変化の潮流を多くの事例を交えて概括しています。

そのテーマは、インターネットや社会がどう変わっていくのか、それを活用する我々がどう変わっていくのか、です。

「多様化するこちら側」では、インターフェイスの未来像を示しています。
「大規模化するあちら側」では、クラウドが主たるテーマになっています。
そして「知と我々自身の変化」では、巨大知とリアルタイムウェブについて語っています。

構造的には上記3つのシナリオはすっきりと頭に入ってきます。時と場所を選ばずにネットにシームレスに接続できる環境変化、一方でクラウドが進むことによってさらに便利に快適にネットが生活に浸透していき、結果、代替可能な能力やスキルは淘汰され、我々自身が変わらなければ取り残されていくという「個」の時代が到来する、ということです。

テーマというか主題というか、著者が言いたいことは、非常によくわかるのですが、残念ながら文章が冗長化してしまっていて、せっかくの良い話が伝わりにくいように感じました。具体的事例をできるだけ盛り込もうというスタイルによって、個々の事例紹介が端的すぎて散漫になっている印象を受けました。もう少し絞っていれば、本当に伝えたいことがしっかりと伝わるようになったのではないかと思います。一度目に全体を通して読んだ時は、意識があちらこちらに飛んでしまってぼんやりとしてしまったのが、二度目に重要ポイントだけを読んだらすっきりと頭に入ってきたので、やはり書き方で損をしているのだろうなと思います。

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