Nのために/湊かなえ

Nのために

湊かなえ氏の作品は「告白」以降全て読んでおり、私が期待している新人ミステリー作家さんの最右翼であります。

本作も、これまで同様に、湊氏の真骨頂とも言える、独白形式でストーリーが進んでいきます。

登場人物全てがイニシャル「N」です。
 希美、望、西崎、野口、奈央子、成瀬

誰がどの「N」のために何をしたのか、これが本作の主軸となっています。

テーマは、罪と愛、でしょうか。これは、湊氏の全ての作品に共通するテーマだと思います。
これまでの作品がどこか鼻につく感じだったのに対し、本作はほとんど嫌味がない仕上がりになっています。唯一気になったのは、愛媛の小さな島出身の希美と成瀬が同窓会でも標準語で話していたことですが、これは私が愛媛県出身者だからかもしれません。ちなみに湊さんは広島県出身です。ああ、もう一つ、作中作の小説の出来がちょっとつらいですが、これはわざと稚拙に書いているのでしょう。

告白」、「少女」、「贖罪」、そして本作「Nのために」と、新作のたびに上手くなっているのが手に取るようにわかります。最新作「夜行観覧車」が非常に楽しみです。

読み出したら止まらないリーダビリティあふれる作品になっていますので、雨の休日のお供にいかがでしょうか。

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