無理/奥田英朗

無理

奥田英朗氏お得意の群像小説です。

舞台は夢も希望もない灰色の地方都市。そこで繰り広げられる5人の哀しく滑稽な物語がそれぞれに微妙に絡み合って時間が過ぎていきます。

格差社会の中で弄ばれる彼らの中にふと自分を重ね合わせてしまいます。荒唐無稽とは言えないまでも真っ当ではない彼らの言動がリアルな地方都市の現実の中ではかえってリアリティを感じさせるところが本作の醍醐味でしょうか。喜劇と悲劇とがない交ぜになったリアルが切ない現実を突きつけてきます。

軽いタッチで笑わせながら一気に読ませるので少々分厚いですがすぐに読み切れてしまいます。惜しむらくは、もう少しオチに気が利いていればなというところです。上手に一つに収斂させる点は評価しますが、無理矢理感が強く、疑問も残る終わり方でした。

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