チェーン・ポイズン/本多孝好
誰にも求められず、愛されず、歯車以下の会社での日々。
簡単に想像できる定年までの生活は、絶望的な未来そのものだった。
死への憧れを募らせる孤独な女性にかけられた、謎の人物からのささやき。
「本当に死ぬ気なら、1年待ちませんか?1年頑張ったご褒美を差し上げます」
それは決して悪い取引ではないように思われた。
1年間生きるという奇矯な約束の末に見た「生」とは?
「生きる」ことを正面からとらえた彼女側からの世界と、事件を追う彼の世界が、少しずつリンクしていきます。その先にある結末は・・・。
テーマは重く、彼女側の記述は暗く深い闇に包まれています。読んでいて悲しい気持ちになるのですが、途中途中に入る記者の奔走があることで、全体的なダークさが緩和されているように感じます。
一気に読み終えてしまいました。上手いです。

