フラッシュフォワード/ロバート・J・ソウヤー

フラッシュフォワード (ハヤカワ文庫 SF ソ 1-12) (ハヤカワ文庫SF)

近いうちに米国でドラマ化される(「LOST」や「HEROES」のように)というので、読んでみました。

2009年、ヨーロッパ素粒子研究所のロイドとテオは、ヒッグス粒子を発見すべく大規模な実験をおこなった。ところが、実験は失敗に終わり、そのうえ、数十億の人々の意識が数分間だけ21年後の未来に飛んでしまった!人々は、自分が見た未来をもとに行動を起こすが、はたして未来は変更可能なのか・・・。

この設定こそが本書の最大の魅力と言えます。もちろん、数多くのSF作品はその魅力的な「設定」によって読み物としての魅力を最大限にしている訳ですが、本書の設定は多くに見られる画一的なタイムトラベル設定とは一線を画しています。それはたった数分間だけの未来という点です。この短期間(たった2分間)の不思議な体験が全世界の人々に与えられ、2分間×数十億人という形で切り貼りされた未来図があるべき姿に整理されていくというのはとてもユニークな舞台だと思いました。

多少、物理学の難解な言葉が出てきますが、これはSFをよりリアルにするための装飾品のようなものですから無視して読んでいっても問題ありません。

本書で描かれるのは数人の物語ですが、同時に全世界数十億人それぞれの物語が存在するわけで、その辺をもっと広げていくことは十分に可能だと思います。おそらくドラマ化の際には原作に登場しなかった人物達の未来物語も付け加わるのではないかと思います。それによって深みが増すとも思います。

久しぶりに本格的なSF小説を読みましたが、このワクワク感はたまらないですね。時間を忘れてのめりこんでしまいました。

LOST(この本の作者はソウヤーという名前です!)やHEROESにはまっている方、ドラマ化の前にこの原作を一読しておくとドラマがもっと楽しめると思いますよ。ネタバレでつまらないということは、本作に限って言えば無いと思います。

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