SOSの猿/伊坂幸太郎

SOSの猿

洒脱。
伊坂氏を形容するにこの言葉ほどしっくりくるものはないと思います。
毎回、全く異なる趣向で読者を楽しませてやまない氏は、稀代のストーリーテラーといえるでしょう。日本文学の未来を背負う逸材だと思います。

本作はどういうジャンルになるでしょうか。
荒唐無稽なお話しの中にいくもの人生における有用な示唆が込められています。そう、これが文学ではないでしょうか。寓話にせよお伽噺にせよ、本来物語は大いなる示唆を平易な文章で伝えやすくしたものでした。その原型が本作にはあります。まさしく、現代の西遊記です。

伊坂氏の中でも、本作は特に平易な文体です。独特のシューリアリズムは影を潜め、わかりやすい言葉だけで紡がれています。こうした作風もいけるのですね。

物語を考えることは救いになるんですよ

まさに著者の思いがここに集結していると私は思います。誰かを救うための物語。これって、ちょっと良いとは思いませんか?

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