社員をサーフィンに行かせよう/イヴォン・シュイナード

世界で初めてシャツなどのコットン製品をオーガニックコットンに代えた「パタゴニア」社のユニークな経営について書かれた一冊です。
「社員をサーフィンに行かせよう」というミッション。
カリフォルニアのビーチのすぐ近くにある本社では、いい波が来たら社員はいつでも波乗りに出かけるといいます。
これには次のような理由があります。
・サーフィンのみならず、どのアウトドアスポーツでも、それを愛し、顧客よりも深い知識と経験を持つことが、よりよい製品を企画・製造・販売するために不可欠である。
・実現のためには自己管理が必要不可欠である。
・あるスポーツを一生懸命やっていると、同じスポーツをやっていなくても社員同士が理解し合える風土が生まれる。この誠実さ(インテグリティ)を大切にしている。
・責任感と効率性、柔軟性、協調性、プロフェッショナリズムを大事にしている。
なるほど、ユニークです。
しかし、ユニークなだけではないのです。パタゴニアは、先にも書いたとおり環境保護に真っ正面から取り組む真摯な企業でもあります。売上の1%を環境保護団体に寄付して活動を支援しています。利益ではなく売上というところが凄いです。経営が苦しい時期でも支払うという約束はなかなかできません。
また絶対にIPOしないと明言していることも注目に値します。市場から急成長を求められ、結果的に企業や地球に悪い影響を及ぼすからだそうです。働きやすい企業に選ばれる名門でありながら、経済誌などに出ないのはそうした理由からのようです。
企業が真に責任を負うべき相手は、誰なのか。顧客か。株主か。従業員か。私たちの見解では、そのどれでもない。企業は本質的に、資源を生み出すもとに責任を負う。健全な自然環境がなければ、株主も従業員も顧客も、そして企業すらも存在しないのだから。
私たちが見失っていた視点を与えてくれる一言だと思います。
アウトドア派ではない私には生涯縁のないブランドかもしれませんが、大好きな会社の一つになりました。
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