ニコニコ動画が未来をつくる/佐々木俊尚

ニコニコ動画。日本ではYouTubeをも凌駕するPVを誇る、動画共有サービスであり、ネットユーザーであれば誰しも一度はアクセスして、「弾幕」と呼ばれる動画の上に勢いよく表示されるユーザーコメントを目にしたことがあると思います。
これを作ったのが、着メロ企業と言ってよいドワンゴ。着メロブームのまっただ中に参入していって、その音質の良さとけったいなTVCMで話題を集め、着メロカテゴリーに37番目という後発で登場して一気にトップまで上り詰めた会社です。
2チャンネルの管理人「ひろゆき」氏やエイベックスグループなど携帯コンテンツ会社としては想像できない不思議な面々との繋がりを持ち、そうした様々な外部の異才と上手にコラボレートしてトップサービスを提供し続けています。
本書は、そんなドワンゴがどのようにして産まれ、ここまで育ってきたのか、その歴史を紐解いてくれる一冊です。
読んでみると、ドワンゴの社内外には本当にたくさんの異能達が集まってきていて、それらの人たちがその時その時に持っている才能をフルに発揮して新しいサービスを世の中に提供してきたのだと言うことがよくわかります。こんな沿革の会社、滅多にないんじゃないでしょうか。ピンチとチャンスが交互にやってきて、ピンチを切り抜けるために異才が死にものぐるいで動き、その結果が大きな成功に繋がってという繰り返しの歴史。特に本書は「人」に焦点を当てて書かれているので、これはまるで戦国絵巻物のようです。面白い人って世の中にたくさんいるんだなぁと思いますし、こういうある種変人のような人たちがどんどん集まってくる社風こそが、ドワンゴという珍種が育ってきたゆえんなのでしょう。
タイトルは「ニコニコ動画」にスポットを当てていますが、ニコニコの話は全6章の最後の2章だけで、その前の4章はドワンゴが産声を上げる時代から今までの歴史ですので、ニコニコ動画には興味がない方でもオンラインゲームや携帯ゲーム、着メロといったものに馴染みのある方であれば、特に世代的に30~45歳くらいの方には、とっても面白く読めると思います。
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