対人関係療法でなおす うつ病/水島広子

うつ病に関する書籍は毎月1冊以上は必ず出版されているように感じます。それだけこの病気で悩まれている方が多いのだということでしょう。
本書は、薬物療法や精神療法以外のアプローチでうつ病の治療を行うというものです。薬物と精神の中間に当たる治療法とも言えます。うつ病のほとんどの原因がおおまかに言うと対人関係に起因すると考えられることから対人関係に絞ったアプローチで治療を行うというものです。実際に効果が確認されているエビデンスト・バイの治療方法です。
対人関係というと過去に遡って考えがちですが、当然ながら過去は変えられませんので、ここでは現在の自分を変化させるという手法を使います。また、概念的や哲学的な発想から離れて生活の場における行動に変化を起こすという手法でもあります。
対人関係療法の基礎的手法がよくわかり、患者や周囲がどう考えてどう行動することが治療に役立つのかがわかりやすくまとめられています。様々なパターンでのうつ病の人の気持ちが具体例を交えて詳細に記述してあり、患者本人やサポートする方々にとってのこの病気への取り組み方がよくわかります。うつ病を知るための1冊としても良い出来だと思いました。
