若者の「うつ」/傳田健三

若者の「うつ」―「新型うつ病」とは何か (ちくまプリマー新書)

最近マスコミを賑わしている「新型うつ」。その多くがネガティブ・キャンペーン的な内容で、病気と言うよりも性格面の欠陥をあげつらっているのに対し、本書はその医学的な見立てを中心に症状から治療まで、具体例を使って社会啓蒙的に注意を喚起する、という内容になっています。

「新型うつ病」は、ディスチミア型うつ病、非定形うつ病、発達障害型うつ病の3つのタイプに分類され、さらにそれぞれが重なり合い、関連し合う病態なのです。(中略)さらに、これらの病態は双極性障害、とくに双極II型へ移行する可能性があります。

うつ病治療を行っている多くの精神科医たちは、次第に「うつ病は決して一時的な心身の不調ではなく、なかなか手強い疾患だ」という認識に変化していきました。その理由としては以下の二点があげられます。第一に、うつ病の多様化ということです。(中略)第二に、うつ病は再発を来しやすく、しばしば双極性障害にも移行していくものであるということです。(中略)このように考えると、うつ病は決して一時的な心身の不調で片付けられるものではなく、多くは慢性的に経過し、慢性化すればするほどより再発しやすい難治性の病態に変化していく慢性疾患と考えるべきなのです。
うつ病を慢性疾患と考えると、その対応には三つの方策が考えられます。
第一は、確実な診断を行うことです。(中略)第二には、リハビリテーション・プログラムを導入することです。(中略)第三には、慢性化の要因を十分に検討することです。

私は新型ではなく、典型的なメランコリー型だと思っていますが、周囲には新型かと思うような方もいらっしゃいます。精神科医のみならず多くの方が本書のような啓蒙書を読んで、うつ病・新型うつ病をよく理解して適切な対応をすることが求められる時代なのであろうと思います。うつ病は、いつ隣人、同僚、上司部下、親類縁者、家族がかかるかもしれない病気であり、もしかしたらインフルエンザより身近な存在かもしれないからです。

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