そして粛清の扉を/黒武洋

そして粛清の扉を


すっかり、mixiの「ドンデン返しモノ、衝撃度でイチオシは?」コミュで話題に上っていた作品ばかりを読みあさっていますが、本作もその一つです。
舞台は高校、1クラスの生徒全員が人質、犯人によって生徒がどんどん殺されていく、という「バトルロワイヤル」ばりの内容ですが、犯人が教師であるという点、殺意が腐りきった生徒への粛清という点等が、現代社会の教育現場の歪みを現している異色の作品です。
殺人描写は淡々と描写されていますが、それでも、20人以上の連続殺人というのはショッキングではあります。個人的には、非暴力主義なもので、いかなる理由があろうと、個人による暴力的復讐は許されざるものではないと思っていますが、物語・小説としては面白いと思います。終盤のどんでん返しも気づいてしかるべきであったのに「あっ!」と騙されました。
純粋に物語りとしての面白さは良いと思いますが、あまりにも多くの死が描かれていること、その死に読者の同意を呼び起こす懸念があること、死と生、人の尊厳ということについて愚鈍な読者の反応の恐ろしさを考えると、ある意味「バトルロワイヤル」以上の問題作でもあり、星は個人的に減らしました。

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